雑草のはなし33「コロナの世の中で」
1年経過
「もう」なのか「まだ」なのかはともかく、新型コロナウイルスという言葉を聞いてから1年が経過しました。首都圏の緊急事態宣言が3月21日に解除となる一方で、罹患者が増加している宮城県では独自の宣言を行うとかで、まだ混迷は続きそうです。
一時期よりはワクチンの登場で前向きな気分になりつつありますが、このような非常時をどう過ごすかで、その人の思考、経験、人間性などが浮き彫りとなるような気がしています。
周囲に迷惑をかけないという前提がありつつ、どう生きていくか。
たぶん、後で振り返ってみないと分からないことばかりだと思いますが、今を生きる身としては、自身の頭で考え、ちゃんと行動していくしかないだろうと思います。
自分自身のこと
改めて自分自身のことを考えてみると、雑草に関わったり研究をしていた時間や蓄積がかなり効いている気がします。
だから、散歩をしながらも足元を見ながら、雑草の写真撮影をしたり、珍しい個体を探したり、あの名前はなんだっけと頭を使ったりいい刺激になっています。
雑草との対話というと大げさかもしれませんが、図鑑を見たり、自分で撮影した写真を振り返るだけでも結構楽しめます。ただ、オンラインというものが苦手なので、今後、オンラインでイベントをやるということになったら、さぞや味気ないだろうと思っていました。
そんな中で、過去の写真(撮影日単位で保存)を振り返ってみると、2019年の5月はイタドリを採ってきて食べていました。確か、初夏の陽気で暑い日だったと思います。
誰にも見られていないのを確認しながら、イタドリをハサミで切っては袋に入れていたのでした。今年も、ぼちぼちイタドリが大きくなってきたので、散歩ついでに採取して、食べてみようかと思っていました。
後は事務所の軒先と室内でいくつかの雑草を栽培中です。
緑化に使えそうなメノマンネングサ(多肉植物)はかなり増えてきました。たまに水を与えて放っておくだけなので、とても気楽です。
後は、同じく緑化に使えそうなカヤツリグサ科の選抜をしていました。
野外では良さげ(あまり上に伸びず横に増えていく)と思っていた個体も、いざ栽培してみるとこちらの期待通りにいかないことばかりです。
期待通りにならないことが当たり前なのですが、栽培しているカヤツリグサ科の中上に伸びにくい個体が見つかりました。
もう少し観察が必要ですが、別個体と比較すると明らかに草高が低い個体です。普通の人にはただの地味な雑草かもしれませんが、鉢植えの様子を見て楽しんでいました。
事務所の室内では、いくつかの雑草種子を水耕栽培で育てていました。
2019年の秋に採取したヤブツルアズキというアズキの原種とされる雑草も芽を出しました。
雑草の発芽率は様々なのですが、こちらは比較的発芽率が高そう(例えば、10個の種子をまき、10個体全てから芽がでれば100%)です。
コップの中なので成長には限界があるのですが、当分楽しめそうです。
そんな訳で、こういう時代だからこそ、散歩ついでに足元の雑草にも目を向けてみて下さい。はっとするような花の色彩や、1つ1つの葉や茎の造形に感動するはずです。