小笠原勝 教授
国立大学法人宇都宮大学
雑草と里山の科学教育研究センター

職業の選択肢

世の中には、様々な職業がある。どんな職業を選ぶか、どこに就職するかは自由であるが、なぜか若者は都会に集まる。

地方はどうであろうか?都会と比べて仕事の種類が余りにも少な過ぎるのが現状である。結局、創造的な職業、言い換えるならば「面白い仕事」が地方に不足しているから、学生が地方に就職しないということになる。
 
新規の雇用を創出するためには、ある程度の地域の人的資源が必要であるが、地域の労働力が不足している。

理由の一つが少子高齢化であり、もう一つの理由は貴重な労働力が「草刈り」に向けられていることである。わが国では、水田、畑、果樹園、林業地、庭、道端、河川堤防など、あらゆる場所から雑草が生えてくる。

雑草で新しい仕事を!

いっそのこと雑草管理を魅力的な職業に変えるしかない。

例えば、地域の植生管理業務として捉え、草刈りはもちろんのこと、地域の自然を活用した環境教育、観光、福祉、コンサルティングビジネスなどを起こせば、多様な雇用が創出され、学生の地方回帰が促されるに違いない。

かなり独善的な考え方ではあるが、地域創生の鍵は実際場面で一番困っている雑草管理とどう向き合うかに掛かっている。そして、単なる雇用の創出でなく、雇用の中身が創造的で革新的でなければならない。

若者は、リスクを恐れず斬新なアイデアが積極的に取り上げられる環境を求めている。

※18歳からのとちぎ仕事学「里地里山の雑草管理と雇用の創出」を要約
https://cocplus.utsunomiya-u.ac.jp/backnumber/column/column18.html