コケ栽培5「山歩きと、植え付け」
初夏
最近はだいぶ暑くなってきました。
コケを採取している山の緑もかなり濃くなり、木や草が勢いよく伸びていました。
春には気軽に入れた山も、木々が生い茂り、奥まで行くのが困難になってきました。
将来的には、養殖したコケを使用する予定ですが、もう少し先になるため、山から採取しています。
山は広大とはいえ、コケは有限なので、できるだけムダにせず最低限必要な分だけを確保したいと考えています。
ヤマゴケの採取
そんなことを踏まえつつ、よく使うヤマゴケを採取してきました。
1か所を全て採りきることはせず、複数の場所から少しずつ採取しています。
ちなみに、ヤマゴケは総称で、ホソバオキナゴケやアラハシラハゴケを指します。
ヤマゴケは、よく木の根元に生育しています。雨が降ると、木を伝って適度な水量が得られるからかもしれません。また、樹皮にくっ付いていたりします。
採取後のヤマゴケは水に浸けます。
バラバラにならない程度に軽く洗い、ゴミや土中の生き物を取り除きます。それでも、コケの隙間に虫の卵が残っている場合があるので、使用する際に、改めて確認する必要があります。
洗浄後は乾かして、多少光が当たる室内に置いておきます。
乾燥に強いコケなので、時折水を含ませるだけで十分育ちます。
植え付け
ヤマゴケを小さく切っては植え、また切っては植えるという作業を続けると、草原のような景色を作ることができます。
植え付ける器の大きさにもよりますが、1時間程度かかります。
このため、大量生産は難しいので、ちょっとずつ増やしています。
石とヤマゴケを組み合わせて日本庭園風にしました。
白い飾り石を敷き詰めることで、ヤマゴケの緑色が際立ちます。
実験中
試験的に、コケをガラス容器に植え付けてから2か月近く経過しました。
ずっと成長を観察していたのですが、今のところ問題なく育っています。
植え付けたコケに虫が発生して、コケを食べられたこともありましたが、植え直せば修復できることが分かりました。普段の観察と管理、そして早めの対応が大事ということに尽きます。
引き続き試行錯誤しながらですが、今後、実物を見てもらう機会を増やしていく予定です。