雑草のはなし28「カヤツリグサ科」
気になる!
最近はカヤツリグサ科が気になっています。
なぜ気になっているかというと、緑化の資材として活用できるのではないかと思い始めたからです。急に思い立った訳ではなくて、昔、カヤツリグサ科を活用して鉱山跡地の緑化実験をしたことがありました。
残念ながら2011年の東日本大震災で、結果が曖昧になってしまったのですが、時折、カヤツリグサ科のことが脳裏に浮かんできます。
カヤツリグサ科のこと
ここで、あえてカヤツリグサ科と書いているのは、カヤツリグサ科は非常に分類が複雑で、よっぽど特徴的な個体でないと名前を調べるのに一苦労するからでした。
ずっと雑草に関わってきたと言っても、当然のことながら雑草の名前を全て知っている訳ではないので、名前の分からない雑草がたくさんあります。‥と、言い訳をしておきます。
そんな、カヤツリグサ科ですが、当然、雑草害があります。例えば、ハマスゲやヒメクグという雑草は防除の対象になっています。一方で、昔、鉱山の緑化に使用したこともあるように活用することも可能です。
カヤツリグサ科に限った話ではありませんが、雑草も使い方次第ということになります。
最近、注目していたのはアオスゲの仲間でした。再び「仲間」と曖昧な表現にしたのは、地域ごとに変異が大きく、分類が難しいからでした。
変異体の使い道
変異が多い=活用に適した種が見つかる可能性が高いと考えています。
例えば、下の写真はヒメクグですが、ゴルフ場で採取された個体です。ゴルフ場では長年にわたり刈り取りが行われているため、それでも生存できるように、横に這う形態になったと考えられます。
元々、雑草は図鑑と異なった表情を見せる個体がたくさんあるのですが、
①草丈が低い(刈らなくて済む)
②横に増えていく(土を覆う)
という個体を見つければ、緑化資材としての活用が現実的となります。
要するに、人間にとって都合のよい性質を持ち合わせた雑草を探し出すということです。
作物の品種改良も同様の発想で行われていて、変異体を見つけることがその近道となります。冷害に強いイネも、たまたま結実していた個体(変異体)が母体となっています。
そんな訳で、緑化に適したカヤツリグサ科(アオスゲの仲間)を見出したいと考え、近所を散歩して個体を探したり、栽培をしていました。こういうのは数の勝負なので、各地から個体を大量に集めて、一気に栽培試験をすれば1個体くらいは有望なものが見つかるかと思います。
最終的には、勘(観察力)と運だと思っています。
さいごに
『雑草計画』は、誰も見向きもしていない足元の雑草に光をあて、お金を生み出す、新しい仕事をつくる‥そんなことを夢見た活動です。随時、仲間を募集中です。
いい意味で、物好きな方と挑戦・活動をしていきたいと思っています。
はじめまして。私も全く同じ考えで、冬に青々としているカヤツリグサらしきものを、芝生の代わりにできないかと昨冬から庭で実験しています。その後の実験の経過はいかがでしょうか。今年は夏の草刈りを控え、拡大を試みるつもりです。
はじめまして!
コメントありがとうございました。
実験で育てていたものは鉢植えだったので、暑さで枯れてしまいました‥。
一般にイネ科は低い位置で刈り取っても再生しますが、カヤツリグサ科がどこまで耐えられるか試して
みても面白そうですね。